研究課題
挑戦的研究(萌芽)
地球上(地表付近)での資源的豊富指標であるクラーク数が1番の酸素と4番の鉄の化合物(鉄酸化物系)を活用して、人・環境に調和した新規太陽光エネルギー変換システムに挑戦した。汎用型太陽電池であるp-n接合系に留まらず、光合成原理に倣った人工光合成系への拡張を実現するため、鉄酸化物の中でバンドギャップが太陽光の最大エネルギー波長に合致したα-Fe2O3の光電極高機能化を目指した。極性結晶の有する自発分極ンドギャップの狭帯化による近赤外光領域の利用拡張、さらに従来の太陽電池では着目されなかったスピン秩序制御による励起キャリアの長寿命化を実現し、新しい高機能太陽光エネルギー変換素子を創製した。
α-Fe2O3は赤さびの主成分で安価・安定な物質であるが600nm以上の波長域では光電変換できない問題点があった。本研究成果はdバンド電子論的見地からα-Fe2O3に4d、5d遷移金属を置換して電子軌道混成によるバンドギャップ狭帯化で、可視光波長域の光電変換の高効率化と近赤外光領域の利用を可能とした。更に従来積極的な利用がされてこなかった“スピン配列”に着目し、スピン三重項状態を利用した励起キャリア長寿命化による高効率化を目指した。従来からの酸化鉄光電極の研究では、殆どが表面構造を制御して光吸収の増大を試みていた。今回の成果は太陽光エネルギー利用の新たな可能性を示すものと考える。
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