研究課題/領域番号 |
17K19046
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
足立 智 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10221722)
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研究協力者 |
笹倉 弘理
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2017年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 量子ドット / 核スピン分極 / 電子スピン / 核スピンエンジニアリング / スピントロニクス / 核スピン / 自発分極 / 超微細相互作用 |
研究成果の概要 |
本研究では,単一量子ナノ構造での核スピンエンジニアリングとして光注入局在スピンのリザーバである核スピン集団を制御する(分極率,分極方向等)ことを目標とした.特に自発分極を利用する方法を探索した.自発分極の確証は得られなかったが,80%の分極率は容易に得られた.また核四極子効果が核スピン分極形成に重要な役割を果たしており,電子g因子の符号に依存せずに注入する電子スピンに直交する高分極率で核スピン分極が形成できることを実証した.これは既存理論では説明できず,核四極子分裂に起因する核スピンの横磁場に対して敏感ではなくなることを取り入れたモデル計算で定性的に説明できることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノ構造中の局在キャリア系は超微細相互作用を介して電子と核が強く結合するため,相互に分極を制御できるというポジティブな側面と,互いのデコヒーレンスが伝搬し合うというネガティブな側面が共存する.従って電子-核スピンの結合を十分に理解し,スピン緩和の抑制と分極の制御手法を実現することが重要である.本研究で得た成果により,核四極子相互作用を介した核スピン分極と局在電子スピン制御の道が拓けた.核四極子相互作用は,スピン揺らぎの根源である隣接核スピン間の双極子相互作用を封じるため,その制御により,核スピンバスノイズを低減も期待できる等,半導体物性および量子情報処理分野に重要な知見を与えるものである.
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