研究課題/領域番号 |
17K19048
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福谷 克之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10228900)
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研究協力者 |
小澤 孝拓
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | パラジウム / 水素 / 電気抵抗 / 準安定 / 核反応 / 電気伝導特性 / 水素化物 / 伝導特性 |
研究成果の概要 |
ナノメートル厚さのパラジウム薄膜を作製し,水素化過程における伝導測定と,共鳴核反応法による水素量の深さ分解定量を行うことで,パラジウム水素化物の形成過程とその物性を調べた.水素化は,水素ガス曝露と水素イオン照射の2つの方法で行った.水素ガス曝露では熱力学的に安定な水素化物が形成されるのに対して,水素イオン照射では準安定状態が形成されることを見出し,準安定状態は時間とともに安定状態に緩和することを明らかにした.この緩和過程の温度依存性を調べ,高温では熱活性化過程,低温では量子的なトンネル過程で緩和が生じることを見出した.さらに50Kでの抵抗の異常について,水素化物の構造との相関を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属水素化物は,高温超伝導の候補物質として注目されるとともに,クリーンなエネルギー源である水素の貯蔵や純化に利用されるなど,基礎的にも応用的にも重要かつ興味深い物質である.従来は熱力学的に安定な水素化物が研究され,その物性が明らかにされてきた.ところが近年,熱平衡では実現しない準安定な水素化物が特異な物性を発現する可能性が示唆され,大きな注目を集めている.本研究では,従来行われていなかった低エネルギーイオン照射という手法でこれまでにない準安定水素化物を形成し,その構造と物性を明らかにすることで,新規物性発現とそのメカニズム解明を目指して研究を行った.
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