研究課題/領域番号 |
17K19055
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮内 雄平 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (10451791)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 遷移金属ダイカルコゲナイド / バレー / 励起子 / 原子層 / 半導体 / バレートロニクス / バレー緩和 |
研究成果の概要 |
本研究では、代表的な遷移金属ダイカルコゲナイド層状半導体の一つである二セレン化タングステンWSe2の単層薄膜を対象とし、円偏光励起によって生成される励起子バレー分極の緩和メカニズム解明を目的として研究を行った。その結果、電子正孔交換相互作用を通じたバレー状態間の結合と、試料にドープされているキャリアによるクーロン相互作用の遮へい効果を考慮することで、実験で観測される励起子バレー緩和現象を包括的に理解・予測・制御できることが明らかとなった。また、機械学習により、室温の発光スペクトルの特徴から、低温で得られるバレー分極度を高精度で予測する新手法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、代表的な遷移金属ダイカルコゲナイドWSe2の単層膜をモデルケースとして、円偏光によって生成された励起子のバレー分極情報が失われる機構を突き止めた。さらに、機構の理解に基づいて材料に工夫を施すことで、バレー状態をより長く保つことができることを見出した。本研究の成果は、2次元原子層半導体の基礎的かつ重要な光物性の1つが明らかになったという意義に加え、バレー自由度を情報キャリアとして用いる将来の高速・省エネルギー光情報デバイス実現に向けた材料設計の工学的指針を与えるものである。
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