研究課題/領域番号 |
17K19119
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
波多野 学 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (20362270)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 不斉触媒反応 / マクロサイクル / キラルキャビティー / アルキニル化反応 / 大環状触媒 / 分子包接効果 / 反応加速効果 |
研究成果の概要 |
有機反応において、基質および反応剤分子の活性化を担う分子性触媒の開発は、効率的な物質生産を行う上で欠かすことができない。特に不斉触媒反応における生成物の立体制御は重要である。これまでにキラルビナフトール(BINOL)は優れた触媒機能が実証されてきた。本研究では、BINOLの3,3’位の置換基をベルトのように結んだとき、触媒活性がどのように増大するか調べた。すなわち、本研究では大環状キラルビナフトール触媒を世界で初めて創製し、ケトンの不斉アルキニル化反応を開発した。検討の結果、非常に高い触媒活性を発現するとともに幅広い基質適用範囲を示し、驚異的に短い時間で反応を完結させることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本申請研究では、従来の触媒設計の常識を覆し、ビナフトールの3,3’位の置換基を大員環として結んだとき、単一分子性触媒としてどのような効果が得られるのかという、極めて単純な発想に基いて研究提案した。従来の大員環触媒は、分子集積体としての機能に触媒設計の重点が置かれており、動的挙動が期待できる単一分子性触媒としての機能は全く追求されてこなかった。常識に囚われない触媒設計のもと、本研究では 柔らかくしなやかな大環状キラルビナフトール触媒を初めて創製し、新奇な触媒活性の発現、特異な、または高次立体選択性を発現する次世代の触媒づくりが期待できる芽生え期の革新的反応開発を実施した。
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