研究課題/領域番号 |
17K19126
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
有機化学およびその関連分野
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
垣内 史敏 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (70252591)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 鉄錯体触媒 / 炭素-水素結合切断 / 直截的合成 / 環境低負荷型反応 / 炭素-炭素結合生成 / 高選択的分子変換 / 芳香族ケトン / 末端アルケン / メチレンシクロプロパン / 炭素-炭素結合切断 / アルケニルエーテル / 内部アルキン / エナミン / 逆Markovnikov配向 / 鉄触媒 / 炭素-水素結合活性化 / 触媒的官能基化 / アルケン |
研究成果の概要 |
本研究では、低原子価鉄錯体を触媒に用いる不活性炭素-水素結合を利用する直截的合成法の開発を行った。低原子価鉄触媒は酸素に不安定なため、有機合成反応における触媒として利用される例はあまり多くなく、特に炭素-水素結合の官能基化に利用した例は少ない。本研究において、芳香族ケトンと2位に置換基をもつメチレンシクロプロパン類との反応を行うと、オルト位炭素-水素結合とシクロプロパン環の炭素-炭素結合という2種類の不活性な結合切断を経て炭素-炭素結合生成反応が進行する新規環境低負荷型高選択的分子変換反応を開発することができた。本反応は、ホモアリル基を炭素-水素結合の切断を経て導入する新手法である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに遷移金属触媒に用いた合成反応が様々開発され、化学量論反応では多量の化学物質とエネルギーが必要なプロセスを、より環境低負荷な条件で達成できるようになった。しかし、これら反応に用いられる金属はロジウムやパラジウム、白金といった貴金属が多くを占めており、持続的利用が困難視されている。本研究では、安価・安全な鉄触媒に用いることで、長きにわたり利用可能な合成手法を開発することを目指した。特に、炭素-水素結合を結合生成の起点として利用する直截的な合成を目指して検討した。その結果、鉄触媒だからこそ達成できる有用な合成手法を開発できた。このことは、有機合成が進む新しい方向性を示しているといえる。
|