研究課題/領域番号 |
17K19146
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野々山 貴行 北海道大学, 先端生命科学研究院, 准教授 (50709251)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | ゲル / 相分離 / ガラス転移 / ハイドロゲル / ゴム-ガラス転移 / 熱応答性材料 / 高強度ハイドロゲル / 刺激応答性材料 / アイソコリック / 物性転移 / 高分子構造・物性 / 高強度高靭性 |
研究成果の概要 |
プラスチック製品を加熱すると柔らかくなるように,一般的に高分子材料は低温で硬く(ガラス状態),高温で柔らかく(ゴム状態)なる。この一般的な高分子とは逆に低温で柔らかく,高温で硬くなる高分子ゲルを世界で初めて創製した。本高分子ゲルは,食品添加物にも使用されるような汎用性のある安価で無毒な原料から簡単に作製でき,室温付近の比較的低い温度では柔らかく伸びやすいが,ある温度以上で急激に硬くなる。この現象は、高分子の温度応答性相分離を利用している。これまでのゲルの相分離は、構造をガラス化するほど強くはなかった。好熱菌のタンパク質が高温でも安定化している機構を導入することで、極めて強い相分離を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、高分子製品は広く利用されているが、高温で軟化することで性能が低下する課題が多くある。この高温で軟化する性質は、高分子の普遍的な性質であるが、本相分離ゲルが示す昇温過程におけるゴムーガラス転移は、これまでの高分子の常識を覆す逆の温度応答現象であり、これらの高分子製品が抱える課題を一気に解決できる可能性を秘めている。また、相分離現象は、大きな吸熱を伴うため、昨今の地球温暖化防止対策として、太陽からの輻射熱を吸収し構造に溜め込むことで、省エネ型の熱吸収材として利用できる。このように、本研究は、高分子の新規基礎研究開拓だけでなく、その新奇な性質を利用したこれまでにない応用が期待できる。
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