研究課題/領域番号 |
17K19169
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
前田 和彦 東京工業大学, 理学院, 准教授 (40549234)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 光触媒 / 水分解 / 人工光合成 / 金属錯体 / 半導体 / 格子欠陥 |
研究成果の概要 |
酸素欠陥密度(電子濃度)を精密に制御したSrTiO3-δ粉末を合成し、その水素・酸素生成の光触媒活性が単位体積あたりの電子濃度10の17乗以上の領域で直線的に増加することを見出した。SrTiO3-δの表面にルテニウム錯体色素を吸着し、その発光寿命を調べることで、SrTiO3-δ表面における励起キャリアの捕捉効果を調べた。その結果、SrTiO3-δ中の酸素欠陥濃度の上昇によって光励起キャリアの捕捉が促進されることを明らかにした。さらには、励起状態の酸化電位の異なる複数のルテニウム錯体色素をプローブとした表面欠陥の調査法によって、欠陥が持つエネルギーレベルを特定することが出来ることも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
半導体中の格子欠陥は、光励起電子と正孔の再結合中心として働くことが経験的に知られており、欠陥密度の低減は高性能な太陽電池や光触媒を開発する上で欠かせない共通課題である。そのためには、格子欠陥を適切に評価する手法が不可欠となるが、材料の種類(組成や形状)を選ばず汎用的に適用できる測定手法はこれまで開発されてこなかった。 本研究では、欠陥濃度を精密に制御した半導体光触媒の活性を調べ、欠陥濃度と活性の関係をはじめて明らかにした。さらには新規に開発した分光学的手法により、その表面欠陥のエネルギー準位を特定できることも示した。これらの事実より、本研究の学術的な価値は極めて高いと認められる。
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