研究課題/領域番号 |
17K19257
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮下 脩平 東北大学, 農学研究科, 助教 (60556710)
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研究協力者 |
鈴木 万智
Sietske van Bentum
西條 悠希
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2018年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2017年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 進化 / 栽培化 / 数理モデリング / ウイルス / 植物 / 抵抗性 / R遺伝子 / MOI |
研究成果の概要 |
植物は様々な病原体を認識し、抵抗性を誘導するR遺伝子を多数持っている。このR遺伝子によってウイルス抵抗性が発揮される際に自発的な細胞死が起こる場合が多く知られており、細胞死がウイルスの封じ込めに寄与するとされるが、本研究では細胞死が起こる以前に細胞に感染するウイルスゲノム数(MOI)の低下が観察されることを明らかにした。また、R遺伝子による抵抗性が不完全に発揮された場合、自発的な細胞死により植物体全体が壊死してしまう場合がある。この現象は、自然界においては周囲の血縁度の高い個体への感染源になることを避ける自殺戦略として集団レベルで機能しうることを、数理モデルを用いたシミュレーションで示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全ての植物に備わっているR遺伝子によるウイルス抵抗性を、数字(MOI)で記述できる可能性を本研究で示すことができた。これにより例えば、ウイルス抵抗性機構へのそれぞれの遺伝子の寄与を数字で評価できるようになる可能性がある。このことは、新しいウイルス抵抗性作物の作出に寄与する可能性がある。また、不完全な抵抗性誘導であっても自然界においては集団レベルでの生存戦略として機能する可能性を本研究で示すことができた。このことは、R遺伝子の進化過程の学術的理解に大きく寄与するものであるとともに、応用研究においては新奇R遺伝子の探索に新たな可能性を与えるものであると考えられる。
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