研究課題/領域番号 |
17K19261
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
佐藤 令一 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30235428)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2017年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 味受容体 / イオンチャネル型受容体 / Gr / 認識中枢としての中腸 / 宿主認識 / 植物2次代謝産物 / gustatory receptor / Bmobyx mori / neuropeptide / Tachykinin / 中腸内分泌細胞 / 小球細胞 / 小顋肢 / taste receptor / Bombyx mori / K5 / 体内センサー / 化学物質受容体 |
研究成果の概要 |
ヒトではGPCR型の味受容体が感覚器官や消化管における環境認識に重要な役割を果たしている。しかし、昆虫ではイオンチャネル型の味受容体であるGrがそれらにおいて重要な役割を果たしていることが本研究により明らかになってきた。すなわち、カイコはクワを食べる前に小顋肢と呼ばれる感覚器官を葉に押し付けて触診し、クワであることを確かめてから噛み始めるが、そこで働くのは味受容体Grであると示唆された。また、カイコの中腸は、クワの成分をGrが認識して神経ペプチドを分泌することが示された。すなわち、恒常性制御中枢である昆虫の中腸ではGrが一つの重要なセンサーとして働いていることが垣間見え始めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトの感覚器官や消化管における環境認識を担う分子の一つとして、これまではGPCR型の味受容体がクローズアップされてきた。またどの教科書にもこれしか載っていなかった。しかし、本研究により、昆虫では全く異なるファミリーに属する分子、イオンチャネル型のGrが、同様の、それどころかヒトよりも更に巧みな認識の仕組みを作り上げているいることが明らかになった。特に、昆虫の餌(宿主)認識がごく微量の葉っぱ表面の植物2次代謝産物の触診により実現しており、食べてもそれが何かを言い当てられないヒトの味認識に比べてはるかに優れたものであることの発見は、応用ばかりか哲学的意味においても、大変意義深いと考える。
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