研究課題/領域番号 |
17K19264
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
沼田 英治 京都大学, 理学研究科, 教授 (70172749)
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研究分担者 |
神戸 崇 北海道大学, 農学研究院, 専門研究員 (40648739)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 昆虫 / 生理学 / 時間生物学 / 光周性 / 季節適応 / アブラムシ / 生物時計 |
研究成果の概要 |
エンドウヒゲナガアブラムシにおいて、短日による両性生殖虫の出現を抑制する季節タイマーは、世代数でなく日数を数えること、温度に依存するが日長には依存しないことがわかった。 札幌と京都における自然の日長と温度での飼育により、季節タイマーには、温暖な春に起こり得る両性生殖虫の誘導を防ぐという生態的な意義があることが明らかになった。 季節タイマーが切れた後に短日で育った個体では、季節タイマーが切れる前の個体や、切れた後に長日で育った個体と比べ、ヒストン修飾関連遺伝子の発現量が増加した。さらにオープンクロマチン領域の解析結果から、生殖多型の決定や季節タイマーにエピジェネティック修飾が関与すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
さまざまなアブラムシで個別に報告されてきた季節タイマーの生理学的性質を、エンドウヒゲナガアブラムシというモデル種で統一して明らかにした。 これまでは推定にすぎなかった季節タイマーの生態的意義「春の早い時期に間違って両性生殖虫を生み出すことを阻止する」を、世界で初めて実験的に立証した。 長年の間まったく謎であった季節タイマーの分子機構について、RNA-seqやATAC-seqといった21世紀の技術を用いることで、エピジェネティック修飾が関与する可能性を提示することができた。
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