研究課題/領域番号 |
17K19283
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
堀川 祥生 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 特任准教授 (90637711)
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研究分担者 |
船田 良 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20192734)
梶田 真也 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40323753)
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研究協力者 |
平野 聖也
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2017年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 細胞壁 / セルロース / ヘミセルロース / リグニン / 人工合成 / 木質細胞壁 / 赤外分光分析 / 透過型電子顕微鏡 / ペクチン / 免疫染色法 / 赤外分光法 / 電子顕微鏡 / バイオマス |
研究成果の概要 |
木質細胞壁を構造的に理解し、将来的には用途に応じたデザイニング手法を確立するため、本研究では樹木の木化プロセスに準じながらも新規且つ独創的なアプローチで木質細胞壁を人工合成する基盤技術の創出に取り組んだ。樹木由来のカルスから最適化学処理によって一次壁モデルの多糖ネットワーク構造を構築し、抗原抗体反応を応用することでペルオキシダーゼの選択的な担持が可能となった。これにモノリグノールを添加することで、多糖ネットワーク内で不定形物質の沈着がTEM観察から確認された。顕微赤外分光分析によってこの不定形物質が人工リグニンであることが示唆され、樹木の木化プロセスに準じた木質細胞壁の人工合成に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は細胞壁成分の必要なパーツを単離し、そこに高分子を人工的に合成する技術基盤の構築である。生体外での合成系を確立して構造的理解を深める試みは、バイオマス科学の体系や方向性を大きく転換させる潜在性を有していることから学術的な意義が高いと言える。例えば、生体内で合成された細胞壁との比較を通して、樹種・組織・細胞における構造的な違いがどの要素に起因するか、木質資源の多様性が理解できる点でも非常に有意義である。さらに、強度や生分解性といった用途に応じた細胞壁の設計基盤ができれば、さらなる木質資源の利用拡大を促進させ、持続的社会の構築に大きく貢献できる点から社会的意義も高い研究成果である。
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