研究課題
挑戦的研究(萌芽)
海水や河川水などを直接DNA分析して、生息する魚類などの情報を得る環境DNA解析について、魚類だけでなく四足動物(両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類)を分析するための研究開発を行った。沖縄県をモデル地域として、環境DNAのサンプリング手法(ろ過器具・試料保管溶液)、DNA実験(PCR酵素・温度条件)、データ解析(解析プログラム・配列照合データベース)を改良し、県内の希少動物(メダカ、ホルストガエル、ヤンバルクイナ等)や外来動物(グッピー、アカミミガメ等)の環境DNA検出に成功した。さらに人獣共通感染症の病原細菌(レプトスピラ)について、その保菌動物を環境DNAから推定できることを示し論文を出版した。
本研究によって、河川水や海水から脊椎動物(魚類・四足類)の生息を検出する環境DNAメタバーコーディングの手法面が改良されたことで、環境DNA解析を、従来主な対象とされてきた魚類だけでなく、広く脊椎動物一般の検出と研究に活用していける可能性が示された。また本研究は、この環境DNA解析法を、人獣共通感染症の病原体の宿主となっている動物種の推定にも応用し得ることを論文成果として示した。今回、希少種や外来種を含む様々な脊椎動物を環境DNAで検出できたことを踏まえて、今後は検出の定量性や感度などを改良し、さらに遺伝的多様性推定の実現も目指すことで、保全生物学やメタ遺伝解析へ応用していくことが期待される。
すべて 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 2件)
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