研究課題/領域番号 |
17K19308
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
杉原 創 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 特任准教授 (30594238)
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研究分担者 |
宮嵜 英寿 一般財団法人地球・人間環境フォーラム(研究推進ユニット), 研究推進ユニット, 研究官 (30455232)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 半乾燥熱帯畑作地 / 小規模灌漑 / 塩類集積 / 井戸水灌漑 / 南インド / 持続可能性 |
研究成果の概要 |
南インドで伝統的に行われてきた小規模灌漑畑作におけるCaCO3岩層の農学的意義を明らかにすることを目的に、2.5年にわたる現地圃場試験(2度のソルガム栽培を含む)と、広域土壌調査および聞き取り調査を実施した。この結果、栽培年度の環境(具体的には干ばつ年+灌漑水不足の常態化)条件下においては、このCaCO3岩層の存在は、固結層がもたらす水分保持機能という正の面よりも、塩集積および固結層形成による根成長の阻害といったような負の面のほうが大きい可能性が示された。加えて、当地の土壌有機物蓄積量は概して低く、堆肥施用に依存した既存の土地管理法では、土壌肥沃度を維持できても改善はできないことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまでは絶対悪と考えられていた土壌中の塩集積が、特殊な環境条件下においては、実は正の役割を果たすのではないか?そしてそれこそが当地で千年以上にわたって持続的に灌漑農業を営むことができた理由なのではないか?という発想に基づいて実施された。しかし残念ながらこれまでのデータからは、この着想が正しいことを示すデータは得られていない。この原因には、気候変動(干ばつの頻発化)や灌漑水不足によって、着想の前提条件であった”特殊な環境条件”そのものが今まさに変異していることが考えられる。一方、現地の土壌肥沃度管理や塩集積機構に関する定量的知見は得られ、現地農業の発展に貢献する重要な知見が得られた。
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