研究課題
挑戦的研究(萌芽)
受精後に始まる遺伝子発現プログラムの調節に関わる因子として、(1)発生イベント、(2)Zygotic Clock、(3)段階的変化、の3つを想定し、これらの実際の関与を調べた。まず、1細胞期の転写を可逆的阻害剤により一過的に抑制し、2細胞になった時期に阻害剤を除いて転写パターンを調べたところ、1細胞期のパターンが見られた。したがって、この時期の遺伝子発現プログラムは、(3)段階的変化によって調節されていることが明らかとなった。また、2細胞前期から後期に起こる大規模な遺伝子発現パターンの変化がおこるが、DNA複製を阻害する実験によって、DNA複製が関わっていることが示唆された。
現在、クローン動物やiPS細胞の作成効率が極めて低く、その原因としてリプログラムミングがうまく成されていないことが考えられており、その改善に向けた研究が数多く行われている。しかし、リプログラミングを理解するためには、その元となるプログラムを理解することが必須であるが、これが解明されていないのが現状である。そこで、本研究の成果が端緒となり、プログラムの全容が解明されたら、その情報に基づいてリプログラミングが達成されない原因を究明し、その改善に向かうという新たなスキームが生まれるものと期待される。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
Proc. Natl. Acad. Sci. USA
巻: 115 号: 29
10.1073/pnas.1804309115
Journal of Reproduction and Development
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10.1262/jrd.2017-058
130005982815
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/entry/22_entry657/