研究課題/領域番号 |
17K19339
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
分子生物学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
久武 幸司 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70271236)
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研究分担者 |
西村 健 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80500610)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2018年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2017年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | iPS細胞 / リプログラミング / 代謝変換 / ミトコンドリア / 活性酸素 / 解糖系 / Tcl1 / 酸化的リン酸化 / ROS / MitoTracker / 再生医学 / DNA変異 |
研究成果の概要 |
本研究では、iPS細胞誘導過程で、Tcl1がミトコンドリア呼吸から解糖系への代謝変換を促進し、その結果としてiPS細胞の効率を向上されることを明らかにした。また、iPS細胞過程では前期及び後期に代謝変化が起こるが、Tcl1は特に後期の代謝変換に関与することが分かった。iPS細胞誘導中に、Tcl1を過剰発現することにより、代謝変換の促進、iPS細胞誘導効率の向上のみならず、活性酸素(ROS)の産生を低減することを明らかにした。このことより、Tcl1過剰発現はiPS細胞の質向上に資する可能性があることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
iPS細胞誘導過程では、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化が一過性に活性化され、それに伴って活性酸素(ROS)の産生量が増える。ROSはDNA損傷の原因の一つであるので、iPS細胞誘導時に発生するROSがDNA損傷を誘発し、それがiPS細胞におけるゲノム変異の一因となっている可能性がある。本研究では、Tcl1が酸化的リン酸化を抑制することに着目し、iPS細胞誘導過程でTcl1がミトコンドリア量と数、代謝及びROS産生に及ぼす影響を解析し、Tcl1がROS産生を低減することを明らかにした。この成果は、ゲノム変異の少ないiPS細胞作製へとつながり、iPS細胞の再生医療への実用化を加速させる。
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