研究課題/領域番号 |
17K19355
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
分子生物学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 隆司 九州大学, 医学研究院, 教授 (90201326)
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研究協力者 |
岡田 悟
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | CRISPR-Cas / 複製起点 / セントロメア / Cas9 / Cas12a / Cpf1 / centromere |
研究成果の概要 |
複製起点とセントロメアは染色体機能に不可欠な配列要素で、それぞれ複製開始蛋白質と動原体蛋白質の結合部位として働く。一方、Cas蛋白質は、ガイドRNAと一体になってそれと相補的なDNA配列に結合する。したがって、Cas蛋白質を介して複製開始蛋白質と動原体蛋白質をリクルートできれば、複製起点やセントロメアを欠くDNAでも染色体として振る舞える可能性がある。本研究ではこの可能性への挑戦を試みた。その過程で我々は、ガイドRNAの有効性をパン酵母細胞の顕微鏡観察だけで判定できる新しい方法を開発し、新しく登場したCas12aをうまく機能させる条件を見つけて、上記の挑戦への基盤が整った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
染色体の基本要素A配列は、それぞれの機能に必要な蛋白質をゲノムDNA上にリクルートするシグナルとして働くというのが、現在の見解である。この見解の最も挑戦的な検証は、必要な蛋白質をDNA上にリクルートさえできれば基本要素が不要であることを示すことにある。それは、外来性DNAに染色体の基本要素の配列を連結することで成立している組み換えDNAの概念を根本から変えることになり、人工的なゲノム設計の自由度を高めることにもつながる。研究期間内にこの挑戦に成功するまでは至らなかったが、技術的困難の解決に成功し、今後の挑戦への基礎が築かれた。と同時に、ゲノム編集研究全般にとって有用な手法を開発できた。
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