研究課題/領域番号 |
17K19381
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 首都大学東京 (2018-2019) 東京大学 (2017) |
研究代表者 |
岡田 泰和 首都大学東京, 理学研究科, 准教授 (10638597)
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研究分担者 |
土畑 重人 京都大学, 農学研究科, 助教 (50714995)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2017年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | カースト分化 / 社会性昆虫 / 協力と対立 / カースト特異的遺伝子発現 / 行動変異 / 利他行動 / ゲノム内対立 / 父母コンフリクト / ゲノムインプリンティング |
研究成果の概要 |
トゲオオハリアリ,およびシダクロスズメバチにおいて,カースト間で発現がことなる遺伝子を探索するため,それぞれ,成虫と幼虫において,比較トランスクリプトームを行った.トゲオオハリアリについては,個体間相互作用のパターンや活動性の変異の検出を同時に行った.ワーカーと未成熟個体やワーカー同士の接触がワーカーの活動性・活動リズムに影響を与えることを見出した.また,個体間相互作用の一つとして,トゲオオハリアリが口移しでの胃内容物交換(栄養交換)を行うことを発見した.トゲオオハリアリについては,現在までにドラフトゲノム情報が得られ,アノテーションやマッピングを改善するような手法・条件の検討を進めている.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会性昆虫では,個体間の対立が行動,発生,遺伝子発現などさまざまなレベルで見られる.本研究では,個体間相互作用のパターンを画像による自動認識(トラッキング)を用いて,詳細にデータ化することに成功した.また,ゲノムレベルでの対立構造を解明する上での基本情報となるカースト特異的遺伝子について,トゲオオハリアリおよびシダクロスズメバチにおいて解析をすすめ,カースト分化を左右しうる候補遺伝子を得た.これらの成果は,社会行動や集団での行動パターン・意思決定が生み出される進化的・遺伝的メカニズムの解明の端緒となると考えられ,利他行動・利己的行動を引き起こす遺伝子の広範な種間比較において重要な成果である.
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