研究課題
挑戦的研究(萌芽)
ゼニゴケを含む苔類は,進化の過程で油体という独自のオルガネラを獲得し,そこに様々な生理活性物質を蓄積している.本研究では,この油体がどのように形成されるのかを明らかにするとともに,その分子装置が植物の進化の過程でどのように獲得されたのか,もしくはどのような機能的多様化の結果新たなオルガネラを構築する機能が備わったのかを明らかにすることを目指した.その結果,油体が細胞板と非常によく似た仕組みでつくられ,そこに細胞骨格が深く関与すること,および単一の転写因子の過剰発現が油体形成を誘導できることを明らかにした.さらに,その転写因子の下流で機能する遺伝子群を網羅的に同定することに成功した.
油体のような真核生物のある系統が特異的に獲得したオルガネラの生成機構を明らかにすることで,真核生物におけるオルガネラの進化の道筋を再構成することが可能となると期待される.さらに,オルガネラ新生の分子機構の知見は,新たなオルガネラを創り出すための基盤技術の開発に繋がる可能性もある.また,ゼニゴケの油体には抗真菌活性や抗がん活性,抗ウイルス活性を呈すると報告されている化合物が含まれており,油体形成ではたらく遺伝子群の網羅的な同定が,これらの物質の合成機序の解明につながることも期待される.
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 7件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 11件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 6件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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