研究課題/領域番号 |
17K19424
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
多様性生物学、人類学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西原 秀典 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (10450727)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 転移因子 / 哺乳類 / 乳腺 / 発現制御 / レトロポゾン / 発現制御システム / 進化 |
研究成果の概要 |
本研究は、転移因子レトロポゾンによって様々なタンパク質の結合サイトが拡散増幅され哺乳類の形態進化に関与するシス制御配列が増大したことを明らかにした。特に乳腺形成に必須な転写活性化因子が結合するエンハンサーのうち3分の1が転移因子に由来したこと、またそれらが真獣類の祖先および真猿類の祖先における転移因子の増幅によって生じたことが明らかになった。これによりレトロポゾンによる転写活性化因子の結合サイトの拡大が哺乳類共通の形態進化に深く寄与したことが明らかになった。この研究を通し、大規模な遺伝子制御機構の進化には転移因子が多大な影響を及ぼしてきたことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般に転写活性化因子の結合サイトの新規獲得は単純な塩基置換の蓄積で説明されることが多い。転移因子がゲノム中で数万コピーもの結合サイトを増幅する可能性は以前から指摘されていたが、生物進化におけるその寄与の程度は分かっていなかった。今回その割合とともに哺乳類共通の形態進化に関わるシス調節配列の増大に寄与したことを初めて明らかにした。これにより発現調節ネットワークの改変とそれに伴う形態進化には従来考えられてきたような塩基置換だけでなく転移因子の増幅が深く関係することが明らかになり、今後転移因子の存在意義と生物進化における影響を再考する上で極めて重要な知見となった。
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