研究課題/領域番号 |
17K19425
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
多様性生物学、人類学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石川 由希 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (70722940)
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研究協力者 |
上川内 あづさ
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 配偶者選択 / 生殖隔離 / ショウジョウバエ / フェロモン |
研究成果の概要 |
動物は、同種と選択的に交配し、他種との交配を避ける。この行動的な生殖隔離のしくみがどのように進化するのかを理解するために、私はフェロモンによって生殖隔離するショウジョウバエを用いた。このハエは他種のフェロモンにより求愛を低下させることがわかっている。そこで、本研究ではまずスクリーニングによりこのフェロモンによる求愛抑制をおこなう感覚ニューロンを特定した。さらにその形態や数、また下流に接続するニューロンを比較した結果、感覚ニューロンと下流ニューロンとの神経接続の獲得が、この他種フェロモンによる生殖隔離を成立させたことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生殖隔離の進化は、種分化や性選択を介して、生物多様性の創出/維持に大きな影響を与える。この神経基盤の理解は、生殖隔離の商事やすさや性選択の遷移しやすさを予測し、多様性の動態を理解する上で不可欠である。本研究の成果として、私たちは「神経接続の獲得/喪失が生殖隔離の進化に寄与する可能性」を見出した。このような神経接続と進化の関係はこれまで明確に指摘されてこなかった。しかし、同じ性質を持ったニューロンから構成される神経回路の機能が、神経接続の変化によって劇的に転換しうることを考えると、このような機構は行動進化をもたらす新しい普遍的なしくみのひとつかもしれない。
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