研究課題/領域番号 |
17K19428
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
多様性生物学、人類学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西村 剛 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (80452308)
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研究分担者 |
森 太志 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 助教 (20633556)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 鼻腔 / 温度調整 / 数値流体力学 / シミュレーション / 霊長類 / 鼻腔内温度 / 環境適応 / 生物・生体工学 / 加温 / 高解像度MRI / 温度と湿度 |
研究成果の概要 |
鼻腔は呼吸気の温度や湿度を調整する器官である。陸生哺乳類では、鼻腔領域は、それぞれの生息環境に適応的な形態進化があったと考えられている。数値流体力学的シミュレーションは、鼻腔内の気温分布を直接観測することなく推定する有力な手法である。本研究では、ニホンザルを対象に、まず鼻腔内の空気の温度分布を直接観測した。その観測データを使って、ヒト用に開発されたシミュレーションモデルにおける鼻腔壁面モデルを補正する手法を検討した。体重値に基づき、壁面モデルの各種パラメーターを補正したところ、実測値に対してより良いシミュレーション結果を得た。体重データを用いたこの簡便な補正手法は、他の哺乳類でも応用できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鼻腔は、嗅覚の最末梢の器官であるとともに、吸った外気の温度や湿度を調整する機能をも有しており、健康と生命維持にとって重要な生理学的機能を担っている。多様な環境に生息する陸生哺乳類は、それぞれの生息地の気温・湿度環境に適応して鼻腔形態を進化させてきたと考えられている。しかし、その調整機能を直接評価する手段がなかった。本研究は、直接観測することなく、数値流値力学的シミュレーションにより鼻腔内の気温を正確に推定する手法を開発した。この手法により、多様な哺乳類での鼻腔機能の直接比較が可能となり、鼻腔領域の形態がどのような機能的適応を経て進化してきたのかを知るのに大いに貢献すると期待する。
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