研究課題/領域番号 |
17K19434
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
多様性生物学、人類学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
矢吹 彬憲 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋生物環境影響研究センター), 研究員 (20711104)
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研究分担者 |
石田 健一郎 筑波大学, 生命環境系, 教授 (30282198)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 真核微生物 / 飲作用 / 吸収栄養 / 微細構造 / 多様性 / 新規系統 / 浸透栄養 / 環境配列 / ディプロネマ綱 / ケルコゾア門 / 系統分類 / 飲作用(ピノサイトーシス) |
研究成果の概要 |
外界に存在する栄養を微細な小胞形成を介して獲得する飲作用(ピノサイトーシス)について、真核微生物を対象にその多様性と進化に関する理解を推し進めた。具体的には、これまで飲作用のみによる栄養獲得で増殖する浸透栄養性の真核微生物はわずかな系統でのみ認識されていたが、本研究の成果により、真核生物ドメイン内の様々な系統に幅広く含まれることが確認された。特にケルコゾア門やディプロネマ綱などの分類群では一般的な特徴であることも確認された。その一方で、飲作用のメカニズムは必ずしも一様ではなく、グループや種レベルで小胞形成プロセスや増殖に際しての依存度に違いがあることも確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題によってもたらされた知見は、未だ謎が多い真核細胞の成立とその初期進化過程を理解する上で極めて重要な意味を持つ。また多くの系統で浸透栄養に依存した原生生物が認識された事実は、水圏生態系の構造やエネルギーの流れをより正確に理解する上でも重要かつ新たな意味を持つ。飲作用における小胞形成過程に共通性及び系統ごとの特殊性が確認されたことは、真核細胞機能の多様性とその進化の複雑性を示している。そこからは真核生物初期進化をより詳細に理解するための発展的基礎研究の道が拓けただけでなく、細胞機能に着目した生理医学的研究の基盤情報としての価値も期待される。
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