研究課題/領域番号 |
17K19482
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
薬学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
加藤 将夫 金沢大学, 薬学系, 教授 (30251440)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 核酸 / 神経新生 / 神経成熟 / 神経変性疾患 / 創薬 / 薬学 / 栄養学 / 脳・神経 / 神経科学 / オリゴ核酸 |
研究成果の概要 |
サケ白子抽出物や、抽出物由来の核酸画分を正常マウスに摂取させると、記憶学習能の向上が観察された。記憶学習を司る脳海馬に含まれる核酸化合物シトシン、シチジン、デオキシシチジンの濃度が抽出物摂取によって顕著に増加し、記憶学習効果を裏付けた。海馬における遺伝子発現を検討した結果、神経幹細胞、アストロサイト、ミクログリア、オリゴデンドロサイトのマーカーが増加後、神経細胞のマーカーが増加した。海馬由来の初代培養神経幹細胞にサケ白子抽出物や核酸画分を添加するとその細胞増殖が促進された。以上より、核酸画分は神経幹細胞の増殖を促進することで、脳のさまざまな細胞の機能をバランス良く増やすことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、食物に含まれる成分を利用し病気の予防に役立てることを目指している。この場合、たんに食物に含まれる化合物やその働きを解明するだけでなく、当該化合物の体内への暴露を、薬学的見地から定量的に明らかにする必要がある。本研究はサケ白子抽出物に含まれる核酸画分に、記憶・学習力を高める働きのあることを解明した。たんに働きを解明しただけでなく、経口摂取しても効果があること、摂取した核酸が脳の海馬に到達することを示唆した点で、体内への暴露を定量的に示している。今後、どの程度の量を摂取すれば記憶学習効果が得られるかをさらに解明することで、脳の健康を永く維持する食生活に役立て、健康長寿社会実現へ貢献する。
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