研究課題
挑戦的研究(萌芽)
ユビキチンE3リガーゼの基質としてAβ分解酵素(プロテアーゼ)の一つを同定することに成功した.当該基質タンパク質はポリユビキチン化されるものの,プロテアソームによる分解を受けないことが明らかとなった.そこで,酵素活性を人工的Aβペプチドの水解活性から求めたところ,ユビキチンによって,有意に抑制されることがわかった.また,ユビキチン化部位を欠失させた変異体を発現した細胞では,細胞外に分泌される酵素量が有意に低下することもわかった.したがって,小胞体ストレス環境下では,ある種のE3リガーゼが高発現し,基質をユビキチン化することで細胞内局在を変化させて,酵素活性を調節している可能性が示唆された.
これまでに,小胞体ストレスとAβ蓄積との因果関係を明らかにした研究はない.本研究において,小胞体ストレス依存的に発現が上昇するユビキチンE3リガーゼがAβ水解酵素を基質として,その酵素活性に影響を及ぼすことを見出した.この現象が,ヒトアルツハイマー病発症に連関するかどうか,今後ヒト死後脳などを使用して検証していく予定である.これが証明されれば,創薬の標的になり得る可能性がある.
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Int. J. Mol. Sci.
巻: 20(7) 号: 7 ページ: 1783-1783
10.3390/ijms20071783
Biol. Pharm. Bull.
巻: -
130007657685