研究課題/領域番号 |
17K19503
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
薬学およびその関連分野
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
諫田 泰成 国立医薬品食品衛生研究所, 薬理部, 部長 (70510387)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 乳癌 / 脂質 / 幹細胞 / 自己複製 / 増殖機構 / ALDH / 癌幹細胞 / リゾリン脂質 / リゾホスファチジン酸 / 受容体 / 創薬 / 発生・分化 / シグナル伝達 / トランスレーショナルリサーチ |
研究成果の概要 |
乳癌はホルモン受容体やHER2の発現により分類されるが、ホルモン受容体やHER2などのないトリプルネガティブタイプは標的分子がないため、有効な分子治療薬が存在していない。近年、「癌幹細胞」と呼ばれる幹細胞の性質を有する細胞を起源として、癌細胞が形成されることが明らかとなってきた。そこで、我々は乳癌幹細胞を用いて脂質の網羅的な解析を行った結果、LPAなどの脂質がトリプルネガティブタイプ由来の乳癌幹細胞に高発現していることを見出した。実際、LPA刺激によりインターロイキン8の産生を介して乳癌幹細胞の増殖が誘導された。以上の成果により、癌幹細胞の脂質シグナルを標的とした新たな治療戦略が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳癌は女性で罹患数・死亡数ともに最も高いがんであり、近年の治療法の進歩にも関わらず、いまだ乳癌の再発や転移を克服できておらず、医学的にも社会的にも大きな問題である。乳癌の中でもトリプルネガティブタイプは予後が悪いが、有効な分子治療薬がない。本研究で我々はトリプルネガティブタイプの乳癌の新たな標的として、脂質の一種であるLPAシグナルを見出した。さらに、乳癌のもととなる癌幹細胞に発現量が多い他の脂質の同定にも成功している。これらの成果をもとに、乳癌に対する新たな創薬の標的分子が明らかとなり、治療法の開発につながることが期待される。
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