研究課題/領域番号 |
17K19518
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
安房田 智司 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (60569002)
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研究分担者 |
守田 昌哉 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (80535302)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 精子 / 精漿 / プロテオーム分析 / 交尾 / 精子競争 / カジカ科魚類 / トゲウオ目 / ウミタナゴ / スズキ目 / プロテオーム / 魚類 |
研究成果の概要 |
海産の非交尾種(クマノミ他)と交尾種(ウミタナゴ他)計10種の精子の形態や運動性を近縁種同士で比較した。その結果、交尾種の精子の頭部は非交尾種より細長く、また、交尾種では体内環境と同じ等張液のみ、非交尾種では海水のみ精子が活発に運動した。本成果は、交尾行動が精子の頭部形態や運動性に関わることを初めて示した。交尾に伴う精子の進化の分子基盤の解明のため、交尾種と非交尾種のカジカ種の精子と精漿を用いてプロテオーム分析を行った。交尾種と非交尾種で精漿タンパク質が大きく異なり、これらは免疫や金属イオンに対する防御の役割を果たすタンパク質と同定された。精巣で発現する交尾関連遺伝子群の探索も行っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から、魚類では体外受精から体内受精に進化したことに伴って、精子の頭部や運動性が系統に関係なく共通した変化を遂げたことが明らかになった。交尾行動は、脊椎動物に限られるものではなく、節足動物、軟体動物など様々な分類群で出現している。そのため、本研究により得られる成果は、脊椎動物に留まらず、他の分類群の研究者に大きなインパクトを与える。また、交尾に伴う精子の分子基盤がプロテオーム分析やRNAseqにより明らかになってきた。おそらくこれらの分子基盤はヒトを含む脊椎動物の受精に関連する分子基盤と同様であり、生物学のみならず、医学、薬学など応用生物学などの分野にも新しい視点と可能性の扉を提供できる。
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