研究課題/領域番号 |
17K19538
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
西川 義文 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (90431395)
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研究協力者 |
梅田 剛佑
猪原 史成
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2017年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 感染症 / 中枢神経系 / 免疫 / トキソプラズマ / トランスクリプトーム / 記憶 |
研究成果の概要 |
トキソプラズマは様々な精神疾患や神経疾患の発症リスクになることが推測されている。実験マウスを用いた我々の先行研究では、感染により記憶能力の減少が確認されている。そこで本研究では、記憶形成に重要な遺伝子Arcに着目し、トキソプラズマ感染による記憶改変メカニズムの解明を目的とした。Arc発現レベルを上昇させる原虫遺伝子を見出し、NFκBシグナルを活性化することを明らかにした。NFκBシグナルに必須なToll様受容体2に着目しマウスの行動測定試験を実施したところ、TLR2の欠損による恐怖記憶の異常(亢進)が認められた。本研究により、脳機能を改変する原虫因子の存在が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の研究から、様々な精神疾患の発症や脳機能の異常には遺伝要因と環境要因の相互作用が重要であることが示唆されてきた。しかし環境要因が作用する機序は研究が進んでおらず、特にその中でも感染症が精神疾患や脳機能に与える影響については研究例が少ない。本研究によりトキソプラズマ感染による脳機能の障害が明らかとなり、Arc、NFκB、TLR2といった分子の関与が示唆された。すなわち、脳内の慢性炎症の状態が脳機能に負の影響を及ぼしており、治療・予防に向けた今後の応用研究の展開が可能になると考える。
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