研究課題/領域番号 |
17K19540
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堂浦 克美 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00263012)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | プリオン / 脳神経疾患 / 病因論 |
研究成果の概要 |
ハムスター順化プリオンを、プリオン蛋白(PrPc)欠損マウスに脳内接種すると、非炎症性脳病変が生じる。本研究では、この現象とプリオンとの関連を調べることで、プリオン病の病因論を再考した。ハムスター順化プリオンで発病したPrPc欠損マウスの脳乳材を、新たなPrPc欠損マウスの脳内に接種し約3年間観察したが、有意な神経変性はなく、異常蛋白質の蓄積もなかった。ハムスター順化プリオンそのものはPrPc欠損マウス脳で障害をもたらすが、その病原性はPrPcなしには伝播しなかった。したがって、プリオンの伝播と病原性は分離でき、プリオンの病原性発現にはPrPcを必要としない経路があることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ノーベル賞受賞者であるプルシナー博士が提唱したプリオン説は、世界中の研究者のコンセンサスを得て定着しているが、一部には未だにプリオン説で説明し難い現象が存在する。例えば、特定の凝集プリオン蛋白でのみ伝播性・病原性が観察され、伝播性・病原性が観察されない凝集プリオン蛋白が大半である。また、異常型プリオン蛋白の存在を実証できないプリオン病が存在する。今回、申請者の発見を展開した本研究の成果である「プリオンの伝播と病原性は分離できる」は、プリオン病の病因論に新局面をもたらすことが期待される。また、この成果はアルファ・シヌクレイノパチーなどプリオン病類縁疾患の病因論にも影響を与える可能性がある。
|