研究課題
挑戦的研究(萌芽)
HTLV-1感染は主にCD4陽性T細胞に認められるが受容体はGLUT-1であり様々な細胞に感染しうる。同一感染者の異なる細胞系列に同じHTLV-1プロウイルス組み込み部位を検出しHTLV-1が血液幹細胞に感染していることを見出した。異なる細胞系列で検出された同じ組み込み部位のCD4陽性Tリンパ球における割合を検討したところ16-35%が感染した血液幹細胞に由来すると推測された。約半数のHTLV-1組み込み部位が1年後にも存在することを見出した。HTLV-1感染血液幹細胞が持続的に存在することを示している。この持続性の血液幹細胞への感染がATL発症の基盤となっている可能性が考えられる。
HTLV-1の血液幹細胞への感染は否定されてきたが、今回の研究はこれを証明し、HTLV-1の感染拡大様式に新たな知見をもたらした。我々の研究を発表した後にATL患者で同じHTLV-1プロウイルス組み込み部位を有しているが異なるT細胞受容体再構成を有する症例が複数報告された。HTLV-1が感染した未熟な細胞が白血病となっていることを示しており、我々の研究はATLの発症機構に新たな展開をもたらす知見である。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 7件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 14件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
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