研究課題
挑戦的研究(萌芽)
これまでの心筋リプログラミング効率は低く、また血清入りの培養液を使用するため安全面の課題があった。そこで本研究では無血清培養下で拍動心筋の誘導を促進する化合物を同定し、安全かつ効率の良い心筋直接リプログラミング法を確立することを目的とした。研究の結果、マウス老化線維芽細胞から心筋誘導遺伝子を導入後、ジクロフェナクを添加した無血清培地で培養をすると、通常の培地と比較して約3-4倍心筋誘導が改善した。またその分子機構として、プロスタグランジンE2を介する炎症と線維化シグナル経路の抑制が重要であることを明らかにした。
本研究で行うケミカルバイロジーは、同定した機能性化合物を基に、心筋リプログラミング誘導薬剤を開発できるのみならず、化合物の標的分子を同定することによって心筋リプログラミングの実行メカニズムを明らかにすることができる。高い心筋誘導効率を示す化合物を発見できれば、心筋リプログラミングに必要な遺伝子を減らして、将来的には薬剤のみで心筋誘導ができるようになる可能性がある。このように本研究は心筋リプログラミングとケミカルバイロジーという共に新しい研究の融合領域を切り拓き、従来の心臓治療に大きな変革や転換を与えうる、独創的かつ革新的な研究である。
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