研究課題
挑戦的研究(萌芽)
通常の2次元培養では、生体の1000倍以上の力で細胞が進展されYAPの異常な活性化で増殖・分化が促進されるため生体を反映していない。生体組織の物理特性を反映した培養系を開発するために、ポリイミド多孔質膜を用いて眼球の角強膜繊維柱帯(TM)細胞のprimary細胞を培養した。生体での網目構造に近い構造をとり1年以上の安定な長期培養に成功した。YAPの発現は生体を反映し、炎症性サイトカインだけではYAP発現の異常が起こらないことを確認した。慢性炎症において、炎症性サイトカインと物理特性異常の相乗効果で、異常なYAP活性化が分子メカニズムを明らかにするため、Split BioID解析系も確立した。
体内で全ての細胞は3次元で存在し、形や硬さなどの独自の物理特性を持つ。細胞の物理特性にHippo-YAPシグナル系が敏感に応答し細胞の増殖・分化を緻密に制御しており、破綻するとがんや慢性炎症を引き起こす。私たちが見出したYAPメカノホメオスター シスを指標にして、生体の物理特性を反映した長期細胞培養系の開発に成功した。並行して樹立したSplit-BioID解析系を用いて、慢性炎症における炎症性サイトカインと物理特性の相乗効果の分子メカニズムを解明する。本解析系は、緑内障の眼圧亢進状態を細胞培養系で再現し、病態メカニズムの解明や創薬のプラットフォー ムとして有用である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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