研究課題/領域番号 |
17K19742
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 将博 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (90549982)
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研究分担者 |
江草 宏 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30379078)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | メカノトランスダクション / ナノテクノロジー / 表面改質 / 骨免疫 / インプラント / ナノ形態 / インプラント周囲炎 |
研究成果の概要 |
マウスマクロファージ(MΦ)細胞株を用いた細胞培養試験を行った結果,機械研磨面とは異なり,ナノ表面上ではMΦの分極が制御されることが示された.さらに,ラット上顎骨におけるインプラント周囲炎モデルを作製し,インプラント周囲骨吸収の組織学的評価を行った結果,平滑面インプラントの周囲組織では著しい炎症反応と骨吸収を認めた.一方,ナノ粗面インプラント周囲では歯肉中に炎症反応を認めたものの,歯肉構造の崩壊や骨吸収をほとんど認めなかった.以上の結果から,ナノ粗面チタン表面は,MΦの分極化を促進することにより,細菌感染性炎症による歯肉の崩壊と骨吸収を抑制する可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨結合促進を目的としたチタン表面のナノ改質技術は散見されるが,インプラント頸部に慢性炎症の結果生じる骨吸収という問題に対して,骨免疫機序に着目し,細胞移植や生理活性物質の投与ではなく,ナノ技術を駆使してチタンインプラント表面の改質のみで制御することを証明した学術的意義は大きい.本研究の成果は,未だ解決策が無いインプラント周囲骨吸収に対して具体的な予防技術を提供するとともに,整形外科インプラントや骨補填材を含む生体材料に関連した慢性炎症の問題解決の一助にもなる.さらに,広い分野の臨床・基礎研究領域で活かされる可能性を大いに含んでおり,萌芽的な技術概念を創出したと考えられる.
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