研究課題
挑戦的研究(萌芽)
軟骨肉腫由来細胞での検討の結果、CCN2遺伝子発現抑制で細胞内ATP量が低下する一方、解糖系の阻害によりCCN2遺伝子発現も低下した。この事実から、同細胞ではCCN2はワールブルグ・エフェクターを超え、正のフィードバックにより解糖系を活性化するワールブルグ・ブースターとして機能することが明らかになった。また解糖系阻害が全CCNファミリー遺伝子の発現に与える影響を解析したところ、CCN3の遺伝子発現が強く誘導された。この現象はミトコンドリアでのATP産生を阻害しても見られず、解糖系の活性に依存する。以上より、CCN2とCCN3は解糖活性を核として緊密な制御下にあることも本研究において解明された。
悪性腫瘍の形質に強い影響力を持つCCN2とCCN3が、悪性腫瘍細胞のエネルギー代謝において果たす役割を解明した本研究は、がん細胞の新たな特質を見出し、新たながん治療の方向性を指し示すという意味で学術的にも社会的にも意義深い。また、CCN2は組織の線維化にも深く関与するが、本研究ではCCN2の抑制がエノラーゼ阻害剤であるフッ化ナトリウムによっても起こることも確認した。これは歯磨剤に高濃度で配合されているフッ素を用いて、口腔粘膜における組織線維化を制御する手段の開発につながるという点で非常に重要である。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 6件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 11件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (52件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
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