モバイル型ロボット電話を用いた高齢者生活支援システムの開発と評価

• 研究課題/領域番号: 17K19795
• 研究種目: 挑戦的研究(萌芽)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 社会医学、看護学およびその関連分野
• 研究機関: 東京医科歯科大学
• 研究代表者: 木下 淳博 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 教授 (10242207)
• 研究分担者: 金子 英司 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 准教授 (10302853) ; 深堀 浩樹 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (30381916) ; 須永 昌代 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 助教 (90581611) ; 大塚 紘未 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (70599266)
• 研究期間 (年度): 2017-06-30 – 2020-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2019年度)
• 配分額: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円); 2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円); 2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円); 2017年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
• キーワード: 医療・福祉 / 生活支援 / 介護予防 / 認知症予防

研究成果の概要

本研究では、Hyper Voice Markup Language (HVML)言語により、モバイル型ロボット電話との会話によって、長谷川式認知症スケールによる検査の一部を行うアプリを開発した。アプリを実装したモバイル型ロボット電話を健常高齢者、看護師に試用させ、ロボットの使用感や認知症検査への活用に関する質問調査を行った。
その結果、認知症検査に小型ロボットを活用することに対して、全員から肯定的な回答が得られ、3/4の被検者が医師等による実施よりも良いと回答した。これにより、モバイル型ロボット電話の認知症検査への応用可能性、およびコミュニケーションによる日常生活支援への可能性が示された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では、被検者の多くが、モバイル型ロボット電話と概ね円滑にコミュニケーションでき、全員がこのようなロボットが家にあると良いと肯定的に回答した。認知症検査に小型ロボットを活用することに対しても、全員から肯定的な回答が得られ、医師等による実施よりも良いとの回答も多かった。自由記述の結果より、緊張が緩和され、楽しく検査できたことも示唆された。
本研究におけるアプリ開発と、その試用により、モバイル型ロボット電話の認知症検査への応用可能性を示すことができた。本研究がさらに発展し、モバイル型ロボット電話が、高齢者が情報通信技術の恩恵に浴す突破口となることも示せれば、その社会的意義は大きい。