研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究を通して、ヒトやウシ、マウスといった哺乳動物の乳汁中には、多種の細菌からなる微生物環境が形成されていることが示された。また、その微生物環境は動物種によって大きく異なっていた。研究者らは、これらの微生物環境は、特に、授乳期の母子免疫に大きな影響を与えることを明らかにしているが、妊娠期および授乳期の乳酸菌(CRL1505株)投与による乳腺免疫の賦活化効果は実証されなかった。抗生物質を用いた微生物攪乱により、母子移行免疫が疲弊する事実を考慮すると、本研究で得られた成果は、乳汁IgA産生を促す、特に腸内に生息する微生物の存在を強く示唆するものであった。
今回の研究を通して、授乳期特有の免疫―微生物環境の実態を、哺乳動物の種を超えて明らかにすることができた。今後は、哺育の質向上(特に、母子移行抗体の質・量的向上)を可能にする微生物探索に向けた研究をさらに加速していく予定である。家畜生産における幼若家畜の健全育成は非常に重要であり、特に、母子の免疫機能強化を可能にする飼養管理技術の構築は近々の課題とされている。妊娠期・授乳期の家畜を対象とした母子移行型の免疫機能強化が可能になることで、家畜の生産性は大きく向上すると確信する。
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