研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は独自に開発した水溶解性のメラニンが、マスト細胞の活性化やがん細胞の増殖を強く抑制する発見に基づき、動物個体レベルでその効果を実証するとともに、分子メカニズムを解明することを目的として研究を実施した。培養細胞レベルでの検証で更なる分子メカニズムの解明を進めることができた。アレルギーモデルおよびがん細胞移植モデルにおいて、水溶解性メラニンの経口投与はいずれも有意な抑制効果を示した。メラニンと相互症する新たな分子の同定から、新規メラニン受容体の可能性が示唆された。
メラニンは紫外線防御物質として働く物質であることや、髪の毛の色素物質であるといった認識が一般的であるが、我々が独自に調整した一定の分子サイズの水溶解性メラニンが、マスト細胞の活性化を抑制し、がん細胞の増殖を抑える働きがあることは新規の発見であった。そして本研究で、動物個体で一定の安全性のもと、抗アレルギー、抗腫瘍効果を、限定的なモデルであるにせよ実証することができた。本成果は様々な疾病モデルでさらに検討を進めるための基盤知見となり、今後、ペットやヒトの疾患治療薬開発への応用につながる学術的意義を持つと考える。
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Biochem Pharmacol.
巻: 163 ページ: 178-193
10.1016/j.bcp.2019.02.015