研究課題/領域番号 |
17K19968
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
飯田 弘之 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80281723)
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研究協力者 |
ヤップ・ファン・デン・ヘリック Leiden University
ユソフ ウミ・カルソン University of Science Malaysia
イスマル ハドザリア Universiti Malaysia Sabah
アジズ ノルシャキア Universiti Teknologi PETRONAS
リー ウエンリン Huazhong University of Science and Technology
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ゲーム木探索 / 証明数 / 共謀数 / シングル共謀数 / 大局観 / 思考の可視化 / AND/OR木探索 / ミニマックス木探索 / 名人の大局観 / 局面評価 / ミニマックス探索 |
研究成果の概要 |
本研究で提案したシングル共謀数(SCN)は,現在局面のミニマックス値がある評価値に更新される可能性を示す共謀数と証明数から派生した概念である.それによって,共謀数の弱点とされた計算コストの問題を解決し,異なる探索枠組みでも容易に応用可能となった.本研究では,SCNの推移を分析することで長期試合パターンを理解することに成功し,思考の可視化への応用を可能にした.思考ゲームの様々なタイプの局面を題材として,提案手法を実装したAIによる評価実験を行ったところ,提案手法の有用性を確認できた.SCNは長期的理解において局面評価の従来アプローチより優れており,局面評価を併用することでさらに効果的となる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在局面のミニマックス値がある評価値に更新される可能性が低いことは解の安定性を意味する.解の安定性の指標を見つけることはより優れた解,つまり最善手を見つける上で重要不可欠である.名人の大局観はまさに解の安定性を精密に判断する能力と言える.この意味で,本研究は人工知能の観点から名人の大局観の本質を明らかにした.ただし,名人が解の安定性の指標である共謀数またはシングル共謀数をどのように計算しているのかは今後の課題である.本研究により,試合パターンの長期視野での理解が可能となり,特に,不利な状況に陥ることが予想される場合,早めのリスク管理として対処可能となるので,一般分野への幅広い応用が期待される.
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