研究課題/領域番号 |
17K20061
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
細見 正明 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90132860)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 淡水産シアノバクテリア / 亜酸化窒素 / ゲノム解析 / 15Nトレーサー / 集積培養 / フローサイトメーター / Nostoc属 / N2O固定 / 固定 / 細胞分取 / 培養装置 / シアノバクテリア / ゲノム |
研究成果の概要 |
N2O固定が可能な淡水産シアノバクテリアの獲得と生理生態の解明を目指した。河川サンプルを明・暗期を繰返す嫌気条件で集積培養した。その後、クロロフィルの自家蛍光強度と細胞形態の違いによる細胞分取を実施した。その結果、Nostoc属のシアノバクテリアの獲得に成功した。ゲノム解析を実施した結果、窒素固定の遺伝子を保有する一方、N2O還元を担う遺伝子を保有しないことを示した。15Nトレーサーを用いた回分試験により、この細菌のN2O取り込みを明らかにした。一方、N2がN2O取り込みの阻害になることを確認した。さらに、窒素濃度が高い環境から新奇シアノバクテリアの獲得を目指したが分離培養までは至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、淡水産シアノバクテリアであるNostoc属の一種が、温室効果ガスとして知られる亜酸化窒素(N2O)を細胞内に取り込むことを示した研究である。また、ゲノム解析を実施することにより、様々な遺伝子ポテンシャルを明らかにすると共に、N2O消費機構が異化反応によるものでないことを示唆した。このような研究成果は、淡水産シアノバクテリアによるN2O固定という新しいN2O変換経路の重要性を示した。この基礎的知見は、窒素循環で副生成物として生成するN2Oの削減技術につながる可能性を有している。さらに、有用物質の生産能を明らかにする研究につながっていく可能性もあり、社会的意義は大きいと考えている。
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