研究課題/領域番号 |
17KK0027
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
震災問題と人文学・社会科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福島 綾子 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (50432878)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
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キーワード | 香港 / カトリック / 宗教 / 教会堂 / 政教関係 / 信徒 / 教会 / 宗教空間 / 民主化運動 / 宗教建築 / カトリック教会 / 営繕 / 建設 |
研究成果の概要 |
香港のカトリック教会堂は、19世紀から1980年代前半まではイギリス植民地政府との強い政教相互依存関係に基づいて建設・運営されてきた。1984年の香港返還決定を境に教会は政教相互依存関係からの脱却を目指した。香港の教会堂形態を規定してきた主要な要因はこのような政教関係であった。具体的には、政教関係に基づき、教会堂に複合させる用途(学校、福祉施設、商業施設)、建物所有者(教会組織、政府、民間)、教会堂の性質(臨時、過渡、恒久)が選択され、教会堂の建築形態を決定してきた。香港のカトリック教会は変化し続ける政治情勢に適応・融合することで礼拝空間を確保し続けてきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
教会堂建築の研究は従来、建築材料、様式を主な指標とし、これらによって形態は変化してきたと説明されてきた。19世紀から21世紀初頭にかけての香港の教会堂は、建築材料、様式ではなく、政治と宗教の関係、すなわち「政教関係」が教会堂建築のあり方を規定してきた第一の要因であったことを明らかにした。政教関係は19世紀以来、相互依存的関係から宗教抑圧的関係へと変化してきた。それに応じて教会堂はどのように変化したかを論証した。本研究の意義は、教会堂建築研究を、建築史学、宗教学、社会学、政治学的研究の手法を融合して成果を提出したことにある。
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