研究課題/領域番号 |
17KK0027
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
震災問題と人文学・社会科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福島 綾子 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (50432878)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2023
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
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キーワード | 香港 / カトリック / 教会堂 / 政教関係 / 信徒 / 宗教空間 / 民主化運動 / 宗教建築 / カトリック教会 / 営繕 / 建設 |
研究実績の概要 |
2022年度はコロナ禍により、香港での現地調査はほとんどおこなえなかったが、現地研究者・協力者の助けを得て、情報収集・分析をおこなった。 本研究の成果を学術図書"Building Catholic Churches in Hong Kong: Stories of the laity and living faith"として出版した。本書は2019年に出版した『香港カトリック教会堂の建設』の英訳であるが、出版した2019年以降、香港では2019年の民主化運動、2020年の国家安全維持法制定、コロナ禍があり、政治・社会が激変した。今回の出版の洋書では、この2019年以降、民主化運動とその抑圧が、宗教活動の自由、宗教活動空間のあり方、教会堂建設にどう影響したかを調査し追記した。2019年の民主化運動においては、社会全般がそうであったように、教会信者も賛成派・反対派にわかれた。デモを支援するような教会組織・教会関係者に対しては政府・中国からの圧力がかけられた。国家安全維持法が制定されると、民主化運動自体が違法行為と認識されたため、民主化運動家が次々と逮捕された。その中の少なからずがキリスト信者であり、亡命を選択する信者も増えた。香港に残る者は沈黙を余儀なくされた。コロナ禍も相まって、教会活動全般は低調となった。コロナ禍では、学校講堂でミサなど宗教活動をおこなうことを学校側が厳しく制限するようになり、学校講堂を教会堂として長年使用してきた共同体にとっては多大な影響があった。パンデミックによって、教会が所有権をもたない宗教活動空間の持続性の脆さが露呈した。そうした中でも、新たな教会堂の建設事業は続いた。一部の信者たちがボランティアとして、過疎地に所在する小規模教会堂を修復再生する事業をおこなっているが、政治・社会変化に左右されず信仰を表す活動として注目に値する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度はコロナ禍により、ほとんど香港での現地調査がおこなえなかったため、進捗に影響した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度末から香港現地調査を再開することができたので、2023年度も引き続き現地調査をおこない、情報収集につとめる。
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