研究課題/領域番号 |
17KK0033
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐藤 尚平 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70597939)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
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キーワード | 集合的記憶 / 集合的忘却 / 文書管理 / 隠蔽工作 / 歴史認識 / 植民地独立 / イギリス帝国 / 記憶 / 隠蔽 / 忘却 / エリザベス2世 / マルタ / 植民地省 / 公文書管理 / 文書等毀棄 / FCO 141 |
研究成果の概要 |
最盛期には地球の陸地の4分の1を影響下におさめていたとも言われるイギリス帝国であったが、第二次世界大戦後に急速に衰退し、世界各地からの撤退を余儀なくされた。この時期に、世界各地で何らかの文書が処分されたのではないかということが長年疑われていたが、詳細は謎のまま。こうした中、イギリス帝国が隠蔽したはずの植民地文書が、実は、ロンドンの近くに保管されていたことが近年判明した。本研究は、この新出史料を読み解きながら、本国イギリスの植民地省の役割に焦点を当てて、イギリス帝国による世界的な文書隠蔽工作の様子を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、実証的かつ地域横断的に、歴史認識や集合的記憶について本格的に検討しようという大きな潮流に貢献する。まず、当時のイギリス帝国全体に広がっていた心性を浮き彫りにする。それは、本国イギリスの植民地省のエリートだけでなく、各帝国に派遣されていた植民地官僚、また時には現地側の協力者にも脱中心的に共有されていた歴史認識、罪の意識、未来に向けた共通認識である。こうした分析は、他の近代帝国や諸国家による類似の事例との比較に発展する。さらに、こうした研究潮流は、集合的記憶と、その裏側にある集合的忘却をめぐる社会的な関心に対しても、実証的な知見を提示するものである。
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