研究課題/領域番号 |
17KK0060
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
竹澤 正哲 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (10583742)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2020
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
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キーワード | 文化進化 / 協力の進化 / 文化的集団淘汰 / 社会的規範 / 行動実験 / 社会的学習 / 集団実験 / 国際比較 / 遺伝子と文化の共進化 / 協力 |
研究成果の概要 |
文化的集団淘汰とは、高度に可塑的な社会的学習能力という、生物としてのヒトの特殊性に注目することで、人間社会に特有の大規模な協力を説明する理論体系である。複数の精緻な理論モデルから構成されているが、その難解さ故に実証研究者からインプリケーションが誤解されやすく、また厳密な実証研究が行われてこなかった。本研究では、大規模集団実験と大規模多国間比較文化データの分析を通して、文化的集団淘汰というロジックの正当性を検証た。実験の結果、集団に利益をもたらす戦略が理論から予測される通りのプロセスで集団の境界を超えて拡散していくこと等が見いだされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
文化的集団淘汰とは、人間に特有の高度な協力を、人間が進化の過程で獲得した高度で洗練された社会的学習能力によって説明する抽象的な理論体系であり、人間の進化的起源に関心を持つ研究領域において、大きな注目を集めている。また人間の協力性は戦争によって生み出されたことを立証した理論体系であると認識されることで、政治学から哲学に至る広い領域においても人々の耳目を集めている。本研究は、文化的集団淘汰というプロセスが実際に駆動しうることを検証したこと、また集団間の致死的な闘争がなくても、文化的集団淘汰が作用することを示した点において、広い領域に大きな学術的インパクトを与えるものである。
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