研究課題/領域番号 |
17KK0067
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
経済政策
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
花薗 誠 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (60362406)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2022
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
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キーワード | 調達入札 / 質評価 / 資産制約 / モニタリング / 品質評価 |
研究実績の概要 |
基課題から継続中の「総合評価方式入札の基礎研究」に関する論文"Theory, Identification, and Estimation for Scoring Auction"(中林純、鶴岡昌徳、広瀬要輔との共同研究)を改訂した。具体的には、企業数を操作変数に用い費用関数のパラメータも推計し、私的情報の分布の推計に役立てるとともに、基礎理論や識別の議論を整理・改善した。
国際共同研究として継続している課題「調達におけるモラルハザードとアドヴァースセレクションの相互作用」について研究を継続し、以下のような成果を得た。第1に、結果の頑健性を論じ、一定の頑健性を有することを示した。具体的には、事業者選択メカニズムとして2位価格入札を用いて示された主結論(「事後的なモラルハザードを軽減するためのペナルティが高まると、支払い能力の低い事業者が選択される」)は、1位価格入札を含んだより一般のメカニズムを用いても成立することが、表明原理を用いた議論により証明された。第2に、支払い能力も費用効率とも高いもの、および両方ともに低いものという2タイプ、完全情報という形で定式化された例を用いて、ペナルティの上昇が社会的に見て非効率的な結果を生じさせることをを簡潔に示した。これらの成果は論文“Pay for Performance in Procurement”(Juan-Jose Ganuza,Fernando Gomezとの共同研究)の改訂版にこれまでの成果と合わせて取りまとめた。それらの研究結果をオンラインや対面でいくつかのワークショップおよび研究会で発表し、議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウィルス感染症の影響により、オンラインでのコミュニケーションは進んだものの、共同研究に必要な交流が阻害されたことにより研究が滞った。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の再延長が認められたため、22年度を最終年度としてはこれまでの研究の遅れを取り戻すべく研究を進める。現在進めている研究をまとめ、ワークショップや学会で報告するとともに、学術雑誌への投稿作業を進め研究成果を公表する。
また、これまでは現実における調達契約の形態を鑑みてインセンティブ契約は(ペナルティの大きさなど)入札とは別に決定されると考えてきたが、一つの理論的可能性として事後のインセンティブ契約が入札時の表明を通じて変化しうるメカニズムを考えていく。
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