研究課題/領域番号 |
17KK0068
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
経済政策
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 和博 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10362633)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 文化的背景の多様性 / コミュニケーション費用 / イノベーション / 文化的多様性 / 多様性 / 生産性 / 文化共通集団 |
研究成果の概要 |
本プロジェクトでは、文化的背景の多様性を組み込んだ理論モデルを構築し、さらに実証研究を行った。理論的モデルを構築することにより、労働者の文化的背景が増加すると、イノベーションが進み労働者の賃金が向上する反面、コミュニケーション費用が増加することによって社会的厚生が低下する場合があることが示された。また、能力の高い労働者がたくさんのコミュニケーションをとることに成功して賃金が上昇するのに対し、能力の低い労働者はコミュニケーションをとることが出来ずに賃金が低下することが示された。つまり、文化的背景の多様性の増加は全体の経済厚生は改善させるが、労働者間の格差が拡大させることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、労働者の文化的背景の多様性の増加がイノベーション、労働者の賃金水準及び賃金格差、さらには社会厚生に与える影響について分析している。近年、労働者の文化的多様性が急速に増加しつつある日本においては、このような分析の現実経済的な意義は大きいと思われる。また、これまであまりこのような研究が行われてこなかったことから、学術的な意義も大きいと考えられる。文化的背景の多様化は、イノベーションを盛んにし、社会厚生を改善するが、コミュニケーション費用を増加し、さらには労働者間の賃金格差を拡大してしまうという結果は、経済政策的な意義も大きいと思われる。
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