研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
ダイヤモンド状炭素(DLC)膜の熱による局所反応について,膜のどの構造から熱により損傷し,DLC膜のどの構造が高温に耐えるかを探索する為,局所的な熱による構造変化としてsp2/(sp2+sp3)結合炭素比の2次元分布の変化を放射光を用いたX線光電子顕微鏡観察により評価し,より実際に近い状況での熱によるDLC膜の構造変化を把握した.DLC膜は加熱によりsp2結合性炭素が増加し,局所的に構造の異なる領域がある場合も安定な結合状態に収束することが示された.更に急激な熱印加と冷却が行われた場合でもsp2炭素量が急激に上昇し,熱によるsp3からsp2結合性炭素への変化が印加熱量に依存する事が示された.
機械部品摺動に固体潤滑膜として用いられるDLC膜の熱による炭素の結合状態の変化が示された.特に局所的に不均一な炭素結合状態があったとしてもその温度で安定な結合状態に収束していくことが示され,摺動部で発生する摩擦熱による劣化過程を考えるうえでの基礎となり,この結果を発展させることでDLC膜の長寿命化につながるものと考えられる.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 4件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 10件、 招待講演 4件)
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