研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
多発性骨髄腫(MM)は、破骨細胞による骨吸収の亢進により進行性の骨破壊病変を形成しつつ進展する造血器悪性腫瘍である。MM骨病変部の破骨細胞は骨吸収のみならず、薬剤耐性にも寄与する。本研究では、TAK1の活性化が脱リン酸化酵素PP2Aの活性により調整されていること、TAK1の阻害が破骨細胞形成を抑制し骨芽細胞分化を誘導することで抗腫瘍ニッチ形成を誘導することを明らかにした。また、IGF1は薬剤耐性の誘導に重要な役割を果たしている。本研究では、IGF1の役割にも着目し、その産生細胞が破骨細胞であること、破骨細胞由来IGF1は薬剤耐性や骨病変形成に重要な役割を果たしていることを見出した。
本研究は、現在も尚重大な臨床課題として残されている腫瘍細胞と骨髄微小環境との細胞間相互作用がもたらす薬剤耐性を克服し、今まで困難と考えられていた骨破壊性悪性腫瘍における骨形成の回復・骨再生という患者QOLの改善に向けた新規治療法の開発に繋がる点に特色と意義がある。さらに、骨髄腫骨病変内に豊富に存在する骨髄間質細胞を骨芽細胞に分化誘導させることにより、骨欠損病変部に骨の再生とともに骨形成環境が生み出す腫瘍排他的ニッチを誘導するという革新的な再生・細胞治療法への展開が期待できる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 3件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 5件、 招待講演 2件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)
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