研究課題
基盤研究(B)
マクロファージは極めて多彩な機能を発揮する。例えば、生活習慣病と癌の基盤病態である慢性炎症では、その開始から遷延化、組織機能障害まで、すべてのプロセスで主要な働きを示す。一方でマクロファージは組織の恒常性を維持する機能も持つ。そのため、マクロファージ機能の変調は、組織機能障害をもたらすことが想定される。本研究では、マクロファージの内因的(由来や老化)と外因的な要因との交互作用によってどのようにマクロファージの多様性がもたらされるかを、エピゲノムと1細胞レベルの変化を中心に解析した。また、老化や心不全に伴って、心臓組織マクロファージが心臓を保護する作用を失う可能性を見いだした。
現在問題となっている心不全や糖尿病を始めとする生活習慣病全般に慢性炎症が寄与していることが明らかとなっている。また、加齢関連疾患も慢性炎症が推進することが示唆されている。本研究の成果は、マクロファージには多様性があること、その多様性は組織、疾患によって異なること、また老化も多様性を変化させることを明らかにした。多様性の変化は組織の機能を損なうと考えられる。多様性を制御するメカニズムの理解は、新たな加齢関連疾患の治療法開発へと結びつくと期待できる。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 5件、 招待講演 14件) 備考 (2件)
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http://plaza.umin.ac.jp/manabe