研究課題/領域番号 |
17KT0063
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 特設分野 |
研究分野 |
オラリティと社会
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
関 礼子 立教大学, 社会学部, 教授 (80301018)
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研究分担者 |
金子 祥之 東北学院大学, 文学部, 講師 (10758197)
宮内 泰介 北海道大学, 文学研究院, 教授 (50222328)
渡邊 登 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (50250395)
丹野 清人 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (90347253)
好井 裕明 日本大学, 文理学部, 教授 (60191540)
飯嶋 秀治 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (60452728)
松村 正治 恵泉女学園大学, 未登録, 研究員 (90409813)
青木 聡子 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (80431485)
高橋 若菜 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (90360776)
廣本 由香 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (90873323)
高崎 優子 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (70873339)
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研究期間 (年度) |
2017-07-18 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2017年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | オラリティ / 語り難い記憶 / 制度化 / オラル・プロテスト / 当事者性 / 災害 / 文字化された記憶 / ねじれ / 共感共苦 / コモン・メモリー / 記憶化・記録化 / オラルプロテスト / 被害の見える化 / 災害と生活変容 / 語る人生 / 物語の制度化 / リテラシー / 表明される/されないオラリティ / もつれるオラリティ / 制度化された記憶 / オラルな記憶 |
研究実績の概要 |
「語り」(オラリティ)は、その時、その場所で、語り手が発出でき、聴き手が受け入れられるかたちで紡がれる。オラル・ヒストリー研究、ライフ・ヒストリー研究やライフ・ストーリー研究は、語り手と聴き手のラポールを前提に、「語り」が持つ力強い「生の世界」を描き出してきた。そこには、語ること、語られることが、語り手の固有の文脈や、語り手を取り巻く社会関係、聴き手との距離感などによって変化することが含意されてきた。 他方で、語り難い沈黙を破って生まれた「語り」は、権利や生活を守る社会運動の文脈で凝縮され、社会的な力を獲得してきた。個の経験や記憶が歴史の切片として語り継がれることを欲する社会は、博物館や資料館で、学校現場の平和教育や人権教育の場で、こうした「語り」を聴いてきた。 戦争、公害や環境問題、災害経験やマイノリティの当事者性などにかかわる「語り」は、現在社会が描き得る未来への道標として記憶し、教訓化され、そのままに引き継がれるべきものと意味づけられてきた。だが、語る主体の高齢化や世代交代は、無意識に前提にしてきた「語り」の真正性と不変性を揺さぶっている。定型化された「語り」から零れ落ちるもの、ノイズとして排除されること、語る主体への役割期待がもたらす当事者性の呪縛、語りを継承する困難、さらには語り手と聴き手の間にある「伝わらなさ」の現在について考察してきた。 最終年度となった2021年度は、オラリティと個人または地域のアイデンティティの関係にも着目しながら、パブリックな記憶が分有され当事者性を呼び起こしていく過程、語られずに閉じられていくオラリティのなかにこそ潜む課題の現在性、過去との対話と他者との対話を通して開かれていくオラリティの可能性に特に注目しながら、オラリティをめぐる理論構築を試みた(この成果は学会セッションで報告した。また、2022年度に論文集として公表予定である)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は最終年度にあたっていたが、コロナ禍のため、一部補充調査を2022年度に繰り越した。補充調査結果を含めて、最終成果報告の取りまとめを2022年度中に行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度が最終年度であったが、一部補充調査を2022年度に実施したうえで、最終成果報告の取りまとめを行っている(現在までの進捗状況)。研究成果を問うた上で、本研究のさらなる展開について考えたい。
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