研究課題
基盤研究(B)
本研究は、青森県の主要農作物であるリンゴ生産を守るために、感染症原因菌の大気濃度を観測し、大気感染地域を推定する。弘前大学農学生命科学部附属リンゴ農園に観測装置を設置し、回収したメンブレンフィルターからDNAを抽出し、ITS領域におけるメタゲノム分析を行った。リンゴ黒星病原因菌の大気濃度は、2019年では9月20日前後に、2020年では8月19日前後に、最大のピークが検出された。流跡線解析の結果、リンゴ黒星病原因菌を多く含む空気塊はロシア東部等から日本海を通過して青森県弘前市に流れ込み、太平洋へ輸送されていることがわかった。うどんこ病など他のリンゴ感染症原因菌でも同様に分析、解析できた。
研究成果の学術的意義は、理工学研究者、農学研究者と気象学研究者によるリンゴ感染症菌の大気観測システムの構築および気象観測データとの相関調査である。新規な観測手法開発から、種々のリンゴ感染症原因菌の大気濃度を同時に測定できる。研究成果の社会的意義は,リンゴ感染症原因菌の大気濃度実測と流跡線解析を用いた拡散地域予報である。リンゴ感染症の被害拡大防止や適時農薬散布とその地域の特定ばかりでなく、環境影響リスク低下とコスト削減のための農薬減量化など、津軽半島地域特有の農資源リンゴの機能性を活用するための社会システム研究およびリンゴ栽培等個性豊かな津軽半島地域社会形成を支える技術基盤開発である。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 6件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (35件) (うち国際学会 11件、 招待講演 12件)
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