研究課題/領域番号 |
18012006
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
武藤 哲彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80343292)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
2007年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 遺伝子 / 癌 / 転写因子 / 転写制御 / 癌遺伝子 / B細胞 |
研究概要 |
B細胞特異的に発現するBach2は、Maf癌遺伝子ファミリーとヘテロ二量体を形成する転写抑制因子である。Bach2ノックアウトマウスの解析から、Bach2のB細胞活性化応答への関与を明らかにしてきた。そこで、B細胞から形質細胞への分化と増殖応答でのBach2の役割を解析した。するとBach2ノックアウトB細胞は、野生型B細胞に比べて少ない分裂回数で高率に形質細胞へと分化した。しかし、Bach2ノックアウトB細胞では一定の培養期間内に細胞分裂出来る回数が野生型B細胞に比べて少なかった。その上、Bach2ノックアウトB細胞ではアポトーシスが亢進する。Bach2の標的遺伝子転写因子Blimp-1は、形質細胞分化の促進に必須の転写因子であり、細胞増殖にも関与することが知られている。Bach2ノックアウトB細胞では、Blimp-1遺伝子の発現が亢進しており、過度の形質細胞分化は、Blimp-1遺伝子抑制の破綻が一因と考えられる。また、Bach2ノックアウトB細胞の細胞分裂の低下やアポトーシスの亢進もBlimp-1遺伝子の脱抑制的な過剰発現に起因すると予想された。そこで、Bach2とBlimp-1のダブルノックアウト(DD)B細胞の解析をおこなった。その結果、Bach2ノックアウトB細胞で観られたアポトーシスは、DD B細胞ではさらに亢進した。遺伝子発現解析の結果、アポトーシス関連遺伝子の発現は亢進していた。一方で、DD B細胞が培養時間内で細胞分裂できる回数は野生型B細胞と同等であることを明らかにした。以上の結果から、Bach2はBlimp-1遺伝子発現を抑制して形質細胞分化を抑制し細胞分裂を調節する一方で、アポトーシス関連遺伝子群を抑えてB細胞のアポトーシスを調節するものと考えられる。
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